乳癌が検出されたあなたへ
お疲れ様です。
食卓を化学するソウタロウです。
前回は、日頃注意するべき
乳癌を予防するために、
避けるべき食べ物と
取るべき食べ物のまとめ
をお話いたしました。
今回は、実際に乳癌になられた際の
心構えと、
どのような検査を受け、
施術を受けることになるのかについての
概要をお話いたします。
目次
1. 乳癌検診
まずは乳癌検診に行ってみましょう。
乳癌検診には
マンモグラフィー検診に
超音波(エコー)検診を加えるか選べますが、
必ず両方受けましょう。
両方受けないと乳癌検診に行った意味がなくなってしまうのです。
マンモグラフィー検査とは、
乳房を二枚の圧迫ガラスに挟んで、
X線で乳房内部の状態を全体的に撮影する検査です。
以下の写真は年齢別のマンモグラフィー検査結果の図です。
若い人の乳房ほど乳腺の密度が高く、
緻密な影が入り込んでいるため癌があったとしても、
その影を見つけることが難しくなります。
また、妊娠している方にはX線は胎児に悪い影響を与えるため
使うことができません。
このように若い方と妊娠中の方に
使われているのが超音波検査です。
これは狭い範囲ごとに超音波を当てて
乳房に響く音の跳ね返りで癌の影を探ることで、若年の方でも初期の乳癌を見つけることができます。
こちらが超音波検査の結果画像です。
このように性質の違う検査方法を二つ行うことによって
初めて乳癌の正確な初期検診を行うことができます。
以上のことから乳癌検診を行う際は、
必ず、
マンモグラフィー検査と超音波検査の
両方を受けましょう。
http://www.nmc-breastclinic.com/equipment/
2. 生検
検診で腫瘍と疑われる影が見られた方は、
その影が本当に腫瘍なのか、
腫瘍だとすれば良性の腫瘍なのか、
それとも癌なのかを確認するために影周辺の細胞を採取します。
生検は細胞診と組織診の二回行われます。
細胞診にて、腫瘍が癌であるかの可能性を
Classごとに判別します。
以下が細胞診の結果分類です。
1回目の細胞診でClassⅢ以上の結果が出た場合、
2回目の組織診を行うことになります。
細胞診、組織診共に検査方法は以下の図の通りですが、組織診の方が細胞診よりも少しだけ針が太くなります。
ですが、組織診の際も3mm以下の太さの針で行われますので、傷口は残りません。
表記している絵のプローブは見易いように実際よりも10倍以上も太く記載されています。実際はまち針よりも細いもので行われるのでご安心ください。
組織診で影に映った塊が癌組織なのかが断定されます。
組織診では特に
癌組織が母乳を分泌する乳管から溢れ出ているかを確認します。
乳管から溢れ出た癌を浸潤癌と言います。
浸潤癌の場合、乳房から別の組織へ転移してしまっている
可能性が高いので、
他の臓器への転移がないかについても
検診します。
3. 乳癌を申告された際の心構え
主治医から乳癌を宣告された時、
誰でもその事実を受け止めるだけで
精一杯で、
頭が真っ白になってしまいます。
精密検査を受けた結果を聞く時、
特に2回目の組織診の結果を聞く時は
必ず、
ボイスレコーダーを持参してください。
主治医さんは
乳癌の事実を告げた後、
今後の診断・治療スケジュールと
治療方針についての
とても大切な話を
続けます。
その際に頭が真っ白で理解することができないことは
更なる不安と焦りを加速させてしまいます。
検診結果を聞く際は必ず
ボイスレコーダーを持参し、
家族、パートナー、信頼できる友達に
同伴してもらいましょう。
4. ステージごとの乳癌治療計画
検診にて癌があることが分かった次は、
その癌の性質と詳しい個数と位置
を調べるため
- MRT(MRM)
- CT
- PET
- 骨シンチグラフィー
という検診を順次行なっていきます。
この検診は待ち時間が非常に長く、
一般的に2ヶ月待たなければなりません。
待っている間にも、乳癌が成長しているのではないかという
猛烈な不安に襲われると思います。
そういう時だからこそ、
今までにお伝えした、
乳製品と動物性タンパク質を控える
食事を徹底しましょう。
さて、 この検診結果と
ご本人の年齢
妊娠されているのか
結婚の予定
などに合わせて治療方針を決めていきます。
特に出産・育児を治療後も続けていく予定がある方は、
ホルモン療法については慎重に考えていかなくてはいけません。
出産・育児とホルモン療法についての関係も別記事でお話いたします。
乳癌の進行度のことをステージと言い、
ステージごとに以下のような治療の流れになっていきます。
治療を受ける人の大半がステージ0か1の初期乳癌の方が多く、
ここでは初期乳癌の方を想定してお話いたします。
初期乳癌の方と主治医の方でまず話されるのが
治療による乳房の変形を如何に小さく抑えるかについてです。
治療による乳房の変形を最小限に抑えるために行われるのが
術前化学療法です。
手術前に抗癌剤で癌を縮小させることによって、
手術での摘出量をできる限り小さくすることができます。
この術前化学療法の結果を以って、
乳癌の摘出手術計画が立てられます。
乳癌のできる位置と手術による乳房の変形の詳しい関係については
別の記事でお話いたします。
手術後は術後の経過観察と共に、
手術では取り逃がしたかもしれない
細かい癌の破片を
潰していく術後治療が行われます。
術後治療には以下の2種類があります。
薬物療法には
・ホルモン療法
・抗癌剤治療
の2種類があります。
このうちどのような組み合わせで治療を行っていくかについては、
年齢、結婚、出産、育児の予定に合わせて慎重に行っていく
必要があります。
詳しくは別記事にてお話いたします。
5. 治療費について
この記事では初期乳癌を想定した内容で話してまいります。
以下の方は、乳癌検診でステージ0の初期乳癌を患った方の凡その
検診費と治療費です。
ここに記載されている遺伝子検査は
本人の意思で選択するものです。
遺伝子検査を受けるべきかどうかについては
また別記事でお話いたします。
6. まずは乳癌検診に行ってみよう
この方は、胸にしこりなどの自覚症状が出る前に
乳癌検診を行ったため、
ステージ0という非常に初期の段階で治療を受けることができたため、
乳房の変形もほとんどなく、
術後の育児にも励むことができました。
乳癌が発見されなくても乳癌検診を受ける意義は非常にあります。
それは、前に言いました
乳癌のリスクを貯めておける自分のコップの大きさを測る
ことができるからです。
全く、正常であれば
自分の癌になるコップは比較的大きいことがわかります。
疑わしいが癌ではないという結果が出れば、
自分のコップは比較的小さく人よりも
乳製品の摂取を控えなけらばならない
黄色信号を貰ったという意味です。
この癌になるリスクを貯めておけるコップの
大きさを測るのに乳癌検診ほど
正確にかつ信頼できる結果を貰える方法はありません。
12,000円という少々高い買い物ですが、
絶対に値段以上の価値はあります。
この検診結果で
自分に合った食習慣を決めることができるからです。
とは言っても、
毎月のように乳癌検診を受けることはできません。
そこで次回は
家で5分でできる乳癌チェック方法について
お話いたします。